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産業革命前の人類の眠り

夜中に目が覚めるのは自然なこと?

夜中に目が覚めることで悩む方は多くいますが、ここで一つ、興味深い記事(研究)をご紹介したいと思います。

米国ヴァージニア工科大学の歴史学者であるロジャー・エカーク教授によれば、人間が夜間にまとまった時間眠るようになったのは、産業革命が大きく影響しているといいます。

工業化によって職場や家庭に電灯や時計が広く普及し、それらによって人間が活動(仕事)できる時間が長くなったことが、まとめて睡眠をとるようになった背景ということです。

教授によれば、産業革命間前の西欧における睡眠は、夜中に1~2時間の「中途覚醒」を挟んで3時間前後ずつ眠る、いわゆる分割睡眠を行っていました。加えて、分割睡眠はヨーロッパのみならず、ラテンアメリカ、中東、そしてオーストラリアを含む地域など、もっと広い地域で一般的だったとロジャー氏は論じています。

一方で、現代の私たちの生活は夜になっても常に明かりに囲まれています。

そこで、大事なことは「強い光を浴びすぎない」ことだと教授は伝えています。例えば、寝室に電子機器を極力持ち込まないことや寝る1時間前ににはテレビやスマートフォンを見ないようにすること、スマートフォンをブルーライトカットモードにすること、などです。

日本大学医学部の内山教授も、「夜中に目がさめて眠れずにいると暗闇から警戒心だけが強まる。いっそ、電気をつけて眠くなるまで本を読むなどしたらよい」と記事中でアドバイスしています。

夜中に目が覚めるのは実は不自然ではない。もちろん程度にもよりますが、このような見解もあると知ることで中途覚醒に対する見方も少し変わるかもしれません。

引用:『日本経済新聞』電子版2010年8月14日 夜中の目覚め「過度の心配は無用」

参考:『HUFFPOST』2016年3月23日 Why Sleeping Through The Night May Not Be 'Natural'