
従業員の健康管理は、今や企業の成長に欠かせない重要な経営課題です。
プレス工業株式会社では、従業員の就業中のパフォーマンス向上を目指し、2025年度から新たに「睡眠改善施策」を導入しました。取り組みを通じて見えてきた従業員のリアルな睡眠課題と、次年度に向けたさらなるアップデートについて、健康経営推進部門の方ににお話を伺いました。
Q:今回、従業員向けの睡眠改善施策(My Sleep)を導入された背景を教えてください。
担当者様: 当社では「健康アクション5(ファイブ)」と称して従業員の生活習慣5項目(休養・栄養・運動・喫煙・飲酒)に関するサーベイを実施していますが、「休養(睡眠)」の項目において「日中の眠気や倦怠感」を感じている従業員が多く、また、それが業務パフォーマンスの低下に繋がっている可能性が高いことが分かりました。当社は製造業であり、現場作業者への集合研修が難しいため、睡眠に課題を抱える従業員に対象を絞ってアプローチすることが必要であると考え、My Sleep導入に至りました。
Q: 実際に約100名の従業員の方を対象に実施されてみて、どのような成果や課題が見えてきましたか?
担当者様: My Sleepに回答したとしても、回答者に届く睡眠レポートを「見ない」または「しっかり読まない」従業員が多いのではないかと予測していたため、My Sleep回答者に対し、産業保健スタッフによる面談を実施し、行動変容の動機づけを行う流れとしました。
My Sleepと面談を通じて、睡眠時間が慢性的に不足している層が一定数いることが明確になりました。面談を経て「就寝前のスマホをやめた」「生活リズムを改善した」と行動変容を起こしてくれた従業員がいたことは大きな成果です。一方で、大きな課題として浮き彫りになったのが「無関心層」の存在です。実は、睡眠レポートが届いていても「見ていない」という従業員が約6割に上りました。
Q: 6割が未読というのは意外ですね。どのような原因があったのでしょうか?
担当者:案内メールの件名が分かりにくかったことや、Webシステムにログインして結果を見に行くというフローがハードルになっていたようで、個々のヘルスリテラシーの向上にはまだまだ時間がかかると考えています。そのため、次年度からも産業保健スタッフによる面談は続けていく予定です。
Q: 今後、さらに従業員の睡眠課題を解決していくために検討している取り組みはありますか?
次のステップとして「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の早期発見サーベイの導入を検討しています。SASは日中の強い眠気を引き起こすだけでなく、放置すると生活習慣病などの重大な疾患につながる高いリスクがあります。まずは全社員が5分程度で回答できるWEBテストを実施し、リスクの高い従業員にはスムーズに医療機関の受診を促せるような仕組みを作っていきたいと考えています。今後も従業員一人ひとりが健康で、最大限のパフォーマンスを発揮できる環境づくりを進めていきます。
担当者様からのコメント
今回、睡眠課題を抱える従業員に対象を絞り、My Sleepと産業保健スタッフによる面談を組み合わせ、行動変容を促すという独自のアプローチを行いました。睡眠を妨げる要因は人それぞれであり、睡眠環境、食生活、通勤時間、育児・介護など、それぞれの事情に応じて実施可能な指導をしたことが一定の効果に繋がったと考えています。